嚥下ピラミッド
食事時間が待ち遠しくなる嚥下食の提供を目指して。
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監修・指導/金谷 節子(金谷栄養研究所 所長) 協力/栢下 淳(県立広島大学 教授)、江頭 文江(地域栄養ケアPEACH厚木 代表)
嚥下食の基礎知識
⑹ ゼラチンや増粘剤の選び方
 嚥下食づくりの最も重要なポイントは、食品につなぎやとろみを加えることによってまとまりをつけ、「食塊」を形成することにあります。
 そこで大きな働きをしてくれるのがゼラチンなどの「ゲル化剤」や「増粘剤」です。
1)ゼラチンの種類と選び方
 ゼラチンは、飲み込むのが難しいとされる「お茶や果汁」などを固めて食べ易くするうえで、とても効果的です。
 ゼラチンには、膨潤させなくてもそのまま使える顆粒タイプと、水で膨潤させて使う粉末タイプや板ゼラチンなどがあり、それぞれさまざまな製品が販売されています。
 但し、製品によってゼリー強度が異なるため、使用量や濃度、安定化に要する時間の長さが違ってくることから、注意が必要です。
 すなわち、使用するゼラチンのゼリー強度をふまえた最適な使用量や調理方法を予め確認してマニュアル化し、常に安定した仕上がりを確保することが重要です。
 そのためにも、毎回決まった量をまとめて作り、保存しておくことをお奨めします。
2)増粘剤の種類と選び方
 お茶や水のようなサラサラした液体は嚥下力が低下した方には難しい飲み物です。調理や食材の工夫でとろみをつけることもできますが、常に安定した品質を確保するうえでは嚥下障がい者用の増粘剤(とろみ調整食品)を使うのが有効です。
 増粘剤は温度に関係なく、水分にとろみをつけることが可能です。現在は、各メーカーからさまざまな種類の増粘剤が販売されています。また、新しい商品も次々と開発されていますので、幅広く情報を集め、試作や試食を重ねたうえで選びましょう。
◉ 良い増粘剤選びのポイント
① 撹拌時にだまにならず、クリア(透明)であること。

だまができてしまった場合はかならず取り除くこと。増粘剤を溶かした時に白く濁ってしまうと、見た目も悪くなってしまうので、透明性を保てるものを選びましょう。

② 味に変化が少なく、べたつき感がないこと。

嚥下食でもおいしく食べられることが大切な前提です。
増粘剤を使用すると味や香りの変化は多少ありますが、できるだけ影響が少ないものを選びましょう。
また、適度なとろみは良いですが、とろみが強いとべたつきが増して、咽頭に残留し、誤嚥につながることもあります。べたつき感が少ないものを選びましょう。

③ 安定するまでの時間が短く、経時的変化が少ないこと。

安定するまでの時間は1分前後を目安にするとよいでしょう。
入れてすぐにとろみが弱いからといって追加すると、安定する頃にはとろみが強くなりすぎることもありますので、安定するまで待ちましょう。(商品に安定までの目安時間が記載されています)また、安定してからは、変化が少ないことが重要です。
時間が経ってゆるくなったり、とろみが強くなったりするものは、調理時と食事提供時の状態が異なることにつながり、適した状態で提供できなくなるので、経時的変化が少ないものを選びましょう。


 増粘剤は、分量を入れすぎると、硬さやべたつきが増して、口腔内や咽頭にくっついて残留することにより、誤嚥のリスクが増して、逆効果になります。通常の目安は1%前後です。0.5〜1.5%位の範囲で、対象者の状態に合わせて調整しましょう。
 とろみをつけてもむせる、飲み込みが難しいという場合は、とろみの量を多くするのではなく、ゼリーにして提供しましょう。ゼリーはのど越しもよく、安全においしく提供することが可能です。

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